絶対は絶対ない、簡単な書き方

妻は忙しい時間を縫って私に中国語を教えてくれる。

中国語で「請別客気」とは日本語で「遠慮しないで」というようなニュアンスの言葉である。この言葉は現在の私にとっては推測が難しい言葉で、日常生活から学べばシチュエーションでわかるかもしれないが、教科書の例文で唐突に現れると翻訳機を使う以外正しい訳にたどり着くことはできない。翻訳機を使ったとしても的を得た翻訳かどうか怪しいので、妻や学生に教えてもらう。

今回は妻に教えてもらったのだが、妻は私が忘れないようにノートに「えん慮しないで」と書いてくれた。

確かに、漢字はパッと思い出せず、日本人であれば平仮名で書くことは多いと思う。ここ何年もパソコンやスマホで平仮名を「変換」ばかりしてきた私においてはパッと思い出せない事象は多発している。

妻にもパない事象が発生したらしく、「えん」と書いて「りょ」が出てこなかったらしい。「えん慮」と書いた。絶対「りょ」より「慮」の方が難しい。と思った私は間違いだ。

妻は日本語、英語、中国語が解り、漢字には相当強い。教えるスピード、画数を考えて「えん」と書き、思い出す時間を捨てるために「慮」と書く。絶対「りょ」の方が簡単。と言うには早計だった。

中国語を教えながら深いことを教わった。いや、中国語の勉強に集中するべきか。