「ちょっと違うんだよな~」の顔

慣れてきたことの一つに、子供たちから向けられる「ちょっと違うんだよな~」の顔がある。子供たちは中国語の発音を教えてくれるのだが、「L」と「R」の発音や、鼻から抜けるように音を出す鼻母音が私は上手くできない。私が何回やっても再現できないので、教えてくれる子供は半ば諦めながら「OK」と言いながら「ちょっと違うんだよな~」の顔をするのだ。

「L」と「R」の発音は英語で練習したはずだし、鼻母音もフランス語で練習した。しかし、実際使い物になってなかったのである。なんたる悲劇。何年も勉強しても、耳も口も外国語仕様になってない。

私に興味を持ってくれたありがたい学生(フォン君)はサメを見たことがあるか?と聞いてきたので、沖縄の水族館で確か見たと思う。と私が言うと、じゃあ、白いでかいのは?と聞かれたので、なにかはわからないが多分見た。と言っておいた。イルカは見たことある?と聞かれたので、私は「いっぱい見たことあるよ。」と言ったら、妻が翻訳する前にフォン君はえらく驚いた。

突然日本語がわかるようになるのかと言うとそうではなく、「いっぱい」が「イーバイ」に聞こえたらしく、「イーバイ」は中国語で「100」という意味だ。確かにイルカ100匹見たというなら私も驚く。私の口は、「P」と「B」の言い分けもできないのか。「ちょっと違うんだよな~」の顔を私がしていたと思う。